2008-08-27

2008/8/27(Wed) 薪火を 仮の姿に 鼓の音

  先週の金・土の夜、日光山輪王寺の薪能が催されました。あいにく両日とも雨のため、三仏堂前での薪能は叶いませず、日光市総合会館での屋内公演となりました。今年は22回目で、両日とも屋内となったのは、22年間で初めてのことだそうです。

 でも、蚊や雨を気にせず観られ、鼓の音も美しく高く響いて、能自体を近くでじっくり見るためには、かえって良かったかもしれません。

 会場内は撮影禁止。雨の中の来場者のお世話をするスタッフの方達の働く写真も、上手くとれなかったので、ごめんなさい。毎年、いつもありがとうございます。徒歩5分で、能を鑑賞できる贅沢に感謝感激。



2008-08-22

2008/8/22(Fri) うつむきて 魚籠にあふるる 秋海棠

  お久しぶりです。ついに日光の夏が終わりました。今日は朝から小雨で寒いです。セーターを出して羽織るほど。蔵から出てきた竹籠は魚とりに使ったものでしょうか。

 秋海棠にナツズイセンとススキを無造作に入れると、すっかり秋の風情です。この花はいつもうつむいて咲き、葉や茎は美味しそうな黄緑で、節のところが紅色で。

 一つの季節が終わり、時も静かに過ぎていきます。この花のようにあふれるほどの思い出がこぼれ落ちて、美しい花の色だけが残されて…なんだか寂しいですね。

 「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」。う~む。どうして芭蕉の句は、元気なんだろう。



2008-07-27

2008/7/27(Sun) 寿老人 おめかしヤゴの イヤリング

  「耳にタコ」ならぬ「耳にヤゴ」。池のほとりの寿老人の石像に、ヤゴの抜け殻が…写真をクリックしてみて下さい。

 夏休みが始まると、トンボや蝉の抜け殻が庭のあちこちでみつかります。去年は蝉が14年ぶりの大発生でしたが、今年は少ないようです。オニヤンマのヤゴは多かったのですが、可愛そうなことに池に間違って梅の木消毒の農薬が入り、ずいぶん死なせてしまいました。この時期は、植木屋さんが入るので、庭の環境も変わり、生き物たちの生態系も変化し、来年のこの季節が来るまで待たなければ。

 せっかくのイヤリングは、夕立の激しい雨で、2,3日で取れてしまいました。寿老人さんも、つかの間のおしゃれでしたね。



2008-07-21

2008/7/21(Mon) 蒼天の絵は夏の旅に出る

  高井家の壁に飾られている大きな絵3点、この夏、諏訪湖のほとりに旅に出ることになりました。7月24日から8月31日まで、長野県諏訪市美術館で、<入江観の世界展>が開催されます。

 日光出身の入江観は、「蒼天の画家」と呼ばれるほど、空と海や湖を題材にした青と緑の静かな絵が有名です。どこまでも高くせつない空の青、みずみずしい風が吹き渡る木々の緑。じつは、高井家は彼の実家です。100号の大作をはじめ版画まで10数点が常に展示されています。

 諏訪市美術館の館長さんと学芸員の方が白い手袋をして、大事そうに点検・搬出してくださる様子は、まるで「お宝鑑定団」のようでした!

 しばし寂しくなりますが、旅を楽しんできてください。



2008-07-16

2008/7/16(Wed) 夏のもの 四角の中に 松花堂

  ある日のお出前の料理。松花堂弁当と、他に料理が何品かお供しました。この松花堂という箱は、もともとは農家の種子入れだった器を、江戸時代に松花堂昭乗という社僧が小物入れにしていたそうです。それを「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が、お弁当箱として見立てたところ大評判になり、今日では松花堂弁当というスタイルで、茶会の天心などによく用いられます。

 さて、お弁当は箱に詰めるので簡単かと申しますと、実は、これがとても難しい。季節のものをそれぞれの風味を大切に調和よく、しかもいちどきに盛り込む。さらに、それを損なわないように運ぶ…。毎回、修行です。



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