2008-09-18

2008/9/18(Thu) 気がつけば 野分に花の 立ちつくす

  これは、お座敷のすぐ前のフシグロセンノウ。お盆花と呼ばれることもあるように、去年は8月の中旬に咲きました。今年は、今頃になって咲き、いつのまにか朝夕寒い秋の風に揺れています。隣ではススキが大きな穂を揺らしているというのに。まるで、出遅れた役者のよう!

 庭を掃いていると、小さなモリアオガエルの子どもたちがピョンピョン遊んでいます。最近なんだか、暦の季節と自然界の様子が少しずつずれているような気がしませんか?

 とはいいながら、人間も自然の一部なのですが、つい自分たち中心に地球を考えてしまっているのかもしれません。草花や虫や生き物たちは、人間社会の都合ではなくて、生命力の本能で自然に寄り添って生きている…。今年の紅葉はどうでしょうか。



2008-09-15

2008/9/15(Mon) 名月を 愛でる国に 生まれけり

  14日は中秋の名月。縁側にススキを飾り、十五夜様にお団子と野菜や果物をお供えして、待ちました。盃を重ねること数時間。しかし、ついにお月様には会えませんでした。

 この連休中、日光ではよさこい祭りが開かれ、観光のお客様も大勢訪れ、町中はとてもにぎやか。昼間は車も渋滞して大変だったようです。

 夜は、うって変わって静寂を取り戻し、夜気もひんやりと。こうしてただひたすら名月を待ちわびていると、いにしえから伝わる日本人のDNAを感じるような気が…お酒のせいかな?

 月が出なくとも、幸せな夜ですね。



2008-09-08

2008/9/8(Mon) 長き夜を 鳴く正客は スイッチョン

  風が透き通って、急に秋めいてまいりました。窓を開け放った夜のお座敷。庭の外灯もなんとなくしのびやかに見えます。

すると、どこからともなく虫の声。リーリーリー、シー、ジジジジ、スイッチョン。いろいろな種類の虫の声が。

 「スーイッチョン!」あれ?ずいぶん大きな声だなー。近いぞ。どこかな?

 声の主の姿を探していたら、なんとお座敷の中。しかも、床の間の上の方。よく見ると、床柱につかまって、きれーいな緑色のウマオイが、一生懸命羽を震わせていました。携帯でパチリ。

床柱とは、さすが秋の主役。風流ですなー。恐れ多くて、思わず頭が下がりました。



2008-08-27

2008/8/27(Wed) 薪火を 仮の姿に 鼓の音

  先週の金・土の夜、日光山輪王寺の薪能が催されました。あいにく両日とも雨のため、三仏堂前での薪能は叶いませず、日光市総合会館での屋内公演となりました。今年は22回目で、両日とも屋内となったのは、22年間で初めてのことだそうです。

 でも、蚊や雨を気にせず観られ、鼓の音も美しく高く響いて、能自体を近くでじっくり見るためには、かえって良かったかもしれません。

 会場内は撮影禁止。雨の中の来場者のお世話をするスタッフの方達の働く写真も、上手くとれなかったので、ごめんなさい。毎年、いつもありがとうございます。徒歩5分で、能を鑑賞できる贅沢に感謝感激。



2008-08-22

2008/8/22(Fri) うつむきて 魚籠にあふるる 秋海棠

  お久しぶりです。ついに日光の夏が終わりました。今日は朝から小雨で寒いです。セーターを出して羽織るほど。蔵から出てきた竹籠は魚とりに使ったものでしょうか。

 秋海棠にナツズイセンとススキを無造作に入れると、すっかり秋の風情です。この花はいつもうつむいて咲き、葉や茎は美味しそうな黄緑で、節のところが紅色で。

 一つの季節が終わり、時も静かに過ぎていきます。この花のようにあふれるほどの思い出がこぼれ落ちて、美しい花の色だけが残されて…なんだか寂しいですね。

 「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」。う~む。どうして芭蕉の句は、元気なんだろう。



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