藤の花の香りを覚えていますか?初夏の午後、山を歩いていて甘いけだるいような妖艶な香りに出会ったら、それは山藤か葛の花です。一房にたくさんの花をつけていますが、根元から順に咲いて咲き揃う間もなくもう散り始めます。そして花の跡につくのはインゲン豆みたいな長い種子です。
山本丘人という画家の作品に、藤棚の木漏れ日の下に佇む大きな犬の絵がありました。美しい絵です。静かな昼下がり、はてあの犬の色は黒だったか、純白だったか…。遠い昔の記憶に誘われるような香り。高井家ではゴールデンのラッキー君が仰向けになって昼寝していました。彼の前世は何だったのかな。