2013-09-08

2013/9/8(Sun) 

 このあいだまで池の中にたくさんいたオタマジャクシ君たち。最近とんとお見かけしなくなったと思ったら、姿を変えて陸上のあちこちでお会いします。

まだ世の中にすれてないのか警戒心もなく、近寄ってもおとなしくしくぼーっと。


あら~。尻尾のなごりもチョこっとあるような。

キミたち大丈夫かなー。

日光の冬は寒いぞ。


お父さんお母さんたちどこへ行っちゃったの?

どうやって冬の間眠る場所を探すの?

来年、また会えるかなぁ。

あー、またよけいな心配して考えちゃう。


こうして一年中、おかみのたかみは高井家の庭にはいつくばって草むしりして地面をつついていると、限りなく世界がミクロになってきます。

苔の名前や、草花や生き物たちの来年の心配までして上を見上げると、山々に囲まれた小さな空。


これではイカン。もっとマクロに。世界のことを考えよう!

夜中なので2020オリンピック開催地はまだ結果が出ない。

もし、東京になったら、日光は東京に近い世界遺産。

世界中からお客様が日光へ!きれいに草むしりしなくちゃね。


あれ?これではイカン!

グーグルアース的にだんだんズームインして、結局、高井家の庭の地面に戻ってきてしまう。狭いなぁ。

方丈記の無常観は遠い古典の授業。歳を重ねるにつれ、やっとその意味がわかってきて、秋を迎えるとつい感傷的に。


あと、2時間で2020オリンピック開催地発表です。



2013/9/8(Sun) 新しい命は幾たび夏を超え

 昨日、おかみのたかみが池の周りで草むしりをしていると、耳の近くでバラバラバラバラ、とヘリコプターのような羽音が…。目の前を行くオニヤンマ。

見づらいかもしれませんが、写真をクリックしてよくご覧下さい。池の水面に急降下して、産卵を始めました!

浅瀬のカキツバタの根元に隠れて、パシッパシッと何度もタイガース模様の尻尾を水に打ちつけています。

ええ~っ。9月に産卵して、大丈夫?ヤゴになるころ10月になっちゃうよ。


例年7月のはじめに大きなヤゴの抜け殻をいくつも見つけるのですが、今年は天候が不順のせいか見つけられず心配しておりました。

産卵を目撃したのは私も初めて!

そうかー。この卵が孵化して幼虫になって、何年間か(たぶん3~5年?)泥や水の中で越冬して、夏の初めの早朝に殻から抜け出て、ふにゃふにゃしたトンボの赤ちゃんが刻々と黒と黄色の縞模様になって、青い空高く飛び立っていくんだねー。

そして、配偶者(?)と出会って、また新しい命を育むんだ。

じ~ん。


東京生まれの私が、毎日庭で発見する自然の出来事にいちいち興奮して感動するたび、九代目や大女将を大声で呼ぶと、

「へー、そうかい。」と当たり前のような返事。


あー。でも、嬉しいな。

小学生の頃、教科書で習った知識が実証されるのを体験できたのですから。50年近く頭の中だけにあったイメージが現実に。

まるで、パズルのピースがぴったりあったような達成感。


ところで、産卵を終えたお母さんヤンマはこのあとどうなっちゃうんだろう…。



2013/9/8(Sun) 赤頭巾 おとぎの森の キノコかな

 9月7日。新顔のキノコ発見!

ハイゴケのふとんの中から顔を出した赤頭巾ちゃん。高さは3センチぐらい。小さな真っ赤な頭がかわいい、まるでディズニーの映画に出てくるような形です。

なんていうキノコでしょうか。イグチタケの仲間かな。

高井家の庭の茸シーズンの始まりですね。



2013-09-03

2013/9/3(Tue) 其中一人 輪王寺仏教文化講座

 8月31日。日光市総合会館で、輪王寺主催「仏教文化講座」が開かれました。

講師は、作家で比叡山禅光坊住職の瀬戸内寂聴先生と、天台宗米国ハワイ開教総長・大僧正の荒了寛先生。

当日は会館の客席に入りきれない聴衆が国道まで行列するほどの大盛況。なんとか、マイクを通してでもと、ロビーと廊下で聴講できることに。


前半は、寂聴先生。演題は「幸せになるために」。

(すみません。私には「自分が幸せになるために」のように思えました)

お元気でチャーミングな語り口の寂聴さんは91歳。本当に人気があるのだなぁ、と実感。

こんなにも多くの人が、思っていても出来ない生き方に憧れているのか。そしてその言葉に励まされるのか。

しかし、私は寂聴さんのお話を聞くたびに、現在の地位を築かれた才能と行動力に感嘆しつつも、過去を抜きにしては受け止められずに、苦い重い塊を胸に抱いてしまうのでした。


後半、荒了寛先生は「日系人と戦争」というテーマで、ハワイ移民の日系1世・2世たちが、アメリカという国の民として、前線の盾となりながらも、いかに日本人としての誇りを失わずに苦労して今日を築いてきたか、というお話でした。

荒先生ご自身も、まだハワイに天台宗のお寺も檀家もないときに海を渡って40年。宗派を超えて異国での仏教普及に尽力されてきました。

壇上で、「本当はね、今日はどうしたら幸せになれるか、とか、もっとやわらかい話をしようかと思ったんだけどね、ずーっと日系の人達の声を記録してきて、今、私がこれをしなければ日系人と戦争の歴史は埋もれてしまうからね。それに、ほら、今は8月でしょ。」

確かに8月の最後の日。

しかし、その日その会場にいた人達の何人が戦争を思い起こす月と自覚していたでしょうか。

祖国を敵として戦わなければならなかった人々の記録をとり続ける先生の8月。

平和ボケして自分の幸せばかりを追い求める私たちの8月。

胸にズシッときたこちらの重いものには、思わず頭を垂れてしまいました。


講演のあと、昔の著書にサインをしていただいた言葉は、

「其中一人」(ごちゅういちにん)

意味は、観音経の中の言葉で、難や苦痛に遭ったとき、 その中の一人が『南無観世音菩薩』と唱えると観世音菩薩は、直ちに救いの手を 差し伸べてくださった、という逸話から、「其の中に一人しっかりした人がいれば、舟は沈まない」ということだそうです。

そして、先生は「あなたが一人でもしっかりしていれば、この店は大丈夫。一生懸命やりなさい。」と教えて下さいました。

いろいろ悩むことの多いこの頃の私の心をすっかり読まれてしまいました。

多くの人達がそれぞれの想いを抱いて帰路に着いたことでしょう。

ありがとうございます!

本当に感動した仏教文化講座でした。



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