2006-06-29

2006/6/29(Thu) 暑気払い 龍の手水の ひとにらみ

もう梅雨明け?と思うほど急に夏らしい日々が続いております。犬のラッキー君も水遊びが楽しみな季節です。さて、大工町にある浄光寺さんの山門の前には蹲があって、青銅の立派な龍が睨みをきかせています。お参りや散歩の途中で思わず冷たいお水をいただこうとすると、ぎょろりとした目玉で何か叱られそうな気分。きっと日頃の不信心を見透かされているような気がするのかもしれません。

でも、こうして写真で見るとユーモラス。まるで暑さにまいった龍さんが反対に水を吸い上げているように見えます。それにしても見事な龍ですね。いつごろの時代のものなのでしょうか…



2006-06-26

2006/6/26(Mon) 梅雨忘る 未知なる司法の 英語かな

  日光市国際交流協会とNSGG(善意通訳ガイド)共催でリチャード・イーストマン氏による講演会がありました。講義は英語、内容は「裁判外紛争解決―仲裁、調停に関して」というまことに難しい、しかもレベルの高い専門的なものでした。イーストマン氏は国際弁護士で日本と外国を舞台に活躍しています。私の友人の真理子さんのご主人でもあります。

 この日は両協会の会員が聴講生。皆さん英語は達者なのですが、初めて聴く法律の専門的なお話に必死に耳を傾けていました。これからもスペシャリストによる専門的な講演を英語で、というシリーズの第1弾。本当に田舎ではなかなか味わえない「智」のひと時に、久しぶりにワクワク(ヒヤヒヤ?)しました。



2006-06-21

2006/6/21(Wed) 日本の 子らの明るき 瞳かな

今日は東京の昭島市立拝島第三小学校の6年生の皆さんが、日本文化を学びに高井家を訪ねてくださいました。今年で4年目ですが、今年のテーマは「ゆばについて」・「日本の作法」についてです。

広間で畳の歩き方、おじぎの種類、座布団の前後、お箸の使い方など知っているようで知らない、でも知っておくと一生役に立つ、といった日本文化を学びながら、日光名物「生ゆばのおさしみ」を賞味。最後に茶道も体験しました。

印象的だったのは、第三小の皆さんの姿勢のいいこと!背筋が伸びて実に爽やか。こういう若い方達がこれからの日本を背負って世界に羽ばたいていくと思うと、頼もしいですね。



2006/6/21(Wed) 大石に 彫らるる遺産に 郭公の声

 日光市内の国道を上がってまいりまして、神橋のとなりの日光橋を渡ると、つきあたりの石段にこの大きな世界遺産の碑が見えます。神橋見物の賑わいを聞きながら、近頃この石碑の前で記念撮影をする人が絶えません。元栃木県知事の渡辺さんの揮毫で「日光の社寺」と刻まれています。本当にいつ見ても外国人が写真を撮っている…やはり世界遺産効果は大きいですね。

この間、梅雨の中にもかかわらず郭公が来て日光の風光明媚を誉め讃えておりました。「ニッコー、カッコー、ニッコー、結構!」??…いやはや出来すぎた話ですが…そこが日光の魅力ですなあ。じつに。



2006-06-15

2006/6/15(Thu) 白糸の 花寄り添いて 伸びをする

  シライトソウです。白糸の滝で思い出しましたが、今高井家の庭の真ん中で咲いています。繊細で可憐なわりに見頃が長く楽しめるところがえらいです。たしか近所の東京大学植物園にも築山にびっしり群生してたような。日光は梅雨時でも苔の美しさとともにいろいろな花が咲き、目を楽しませてくれます。

 写真を撮り忘れましたが、今年の庭はクマガイ草やエンレイ草も増えてよく咲きました。本当に床の間の茶花にはぴったりで助かっています。毎年、花や生き物の「高井家庭歳時記」を記録しようと思うのですが、忙しさに追われ気がつくと見過ごしてしまったりすることばかり。たまには縁側でぼーっとしながら枝豆でビールの休日。いいな~。シライトソウを見ていたら素麺も食べたくなってきました。



2006-06-13

2006/6/13(Tue) 「世々をへて 結ぶ契りの 末なれや この滝の尾の たきの白糸」

う~む。どうも見事だと思ったら、昔の偉い方の歌です。文明18年(1486)、京都聖護院のご門主様が滝尾神社に参詣した時に詠みました。東照宮の裏にある私の大好きな行者道半ばの「白糸の滝」です。最近は森が切り開かれて昔のうっそうとした神秘さが失われつつあります。

 この滝のそばにはこの歌碑とともにもう1つのモニュメントがあります。「ジョン・K・エマーソン。日本の友」。第2次世界大戦前後駐日公使として日光に滞在し、帰国後書いた回顧録の題名も「日本の糸」とつけたぐらいこの地を愛していました。きっと散策しながらこの滝を眺めたのでしょう。日本人よりもこの静寂を理解していたのですね。写真には写っていませんが、今この滝の向かいは駐車場。歌が心に沁みます。




2006-06-12

2006/6/12(Mon) 朝もやは 山の小人が ご飯炊く

  あー、今日も夜が明けて忙しい一日が始まる。早朝、窓を開けて山を見上げると木々の間からたなびく朝もや!最近超過密スケジュールで窓の外を見る余裕もありませんでした。そうか、小人さん達も元気で頑張っているんだなー。

 子供たちが幼稚園の頃、先生が「お山から白い煙が上る時は、山の小人さんがご飯炊いているんだよー」と教えてくれました。子供らは早起きをするとそれが見られるのを楽しみにしていましたが、大きくなるにつれ夜更かしをするようになり小人さんのことも忘れてしまったようです。

 6月のこの時期にこの朝もやを見ると、先代が亡くなった朝、いつもと同じように小人さんがご飯を炊いていることにひとり感動したことを思い出します。



2006-06-08

2006/6/8(Thu) 朝露をまとう ニッコウキスゲ 午前5時

  久しぶりに徹夜をしました。東の空が藍色から白々とあける頃、庭ではたくさんの花が目を覚まし始めます。ニッコウキスゲは一日花と言われ、毎日咲いては翌日は次の花にバトンタッチ。キスゲさん、朝露に濡れてとても美しいです。ちょっとクリックして拡大してみてください。今日最初にお会いしたのがおかみのたかみですね。一期一会そのものですなー。

 ニッコウキスゲといえば霧降高原が有名ですが、今年は鹿さんに食べられなかったでしょうか…でも、青々とした葉っぱや可愛い花芽をよく見ると確かに旨そうな。そういえば、この黄色はマンゴープリンの色ですね。



2006-06-06

2006/6/6(Tue) 時を経て 今も明治の サムライハウス

本町の国道沿いに古い一軒の日本家屋があります。竹垣の中の風情ある庭園と山の水が落ちる滝の音。木造2階建てのその家こそ金谷ホテル発祥の地となった「金谷カッテージ・イン」サムライハウスです。江戸時代に武家の屋敷として建てられ、明治の頃日光を訪れた外国人のために宿として提供したのが金谷ホテルの創始者、金谷善一郎さんでした。

イギリス人の女性探検家イザベラ・バードはその紀行文の中でこの家を「目を楽しませないものはひとつとしてない」というくらい絶賛しています。内部は外国人たちを受け入れた当時のままに保存され、明治の頃の日光の空気が今でも漂っているかのようです。日光はなにげなく歴史が身近なところがすごいですね。



2006-06-05

2006/6/5(Mon) 風までも 水色に染む 丁子草

 もうこうなったら連日「高井家庭の花シリーズです!」というくらい花が次々咲いています。この水色の花の名は「丁子草」。茶花としていただいたものが、いつの間にか増えました。花弁の形が香辛料の丁子に似ているのでしょうか?

 でも、私は勝手に帳尻草と呼んでいます。地味~な葉っぱが出まして、つぼみも地味。でも咲きそろう時はきれいなブルーで、ちょうど初夏の風にぴったり。そうです、人生が終盤になる頃、帳尻が合うように報われる花なのです!子供の時、ぬりえをすると決まってこんな水色のドレスを着たお姫様でした。水色は幸せになれそうな色ですよね。学名「タマノコシチョウジリソウ」なんちゃて。



2006-06-04

2006/6/4(Sun) 藤の香や まどろむ犬の 前世の夢

  藤の花の香りを覚えていますか?初夏の午後、山を歩いていて甘いけだるいような妖艶な香りに出会ったら、それは山藤か葛の花です。一房にたくさんの花をつけていますが、根元から順に咲いて咲き揃う間もなくもう散り始めます。そして花の跡につくのはインゲン豆みたいな長い種子です。

 山本丘人という画家の作品に、藤棚の木漏れ日の下に佇む大きな犬の絵がありました。美しい絵です。静かな昼下がり、はてあの犬の色は黒だったか、純白だったか…。遠い昔の記憶に誘われるような香り。高井家ではゴールデンのラッキー君が仰向けになって昼寝していました。彼の前世は何だったのかな。



2006-06-02

2006/6/2(Fri) 蜜蜂も 励む行者 ニンニクの花

  これは庭の「行者ニンニク」の花です。女峰山辺りにもたくさんあったそうですが、最近は少なくなったようです。葉っぱはスズランの葉の形によく似ていて、味はニラのようです。昔、行者さんが山にこもって修行をする時に、精力をつけるために食べたのでこの名前があるそうです。

 お味噌汁にさっと入れて食べると、ニンニクのような濃い旨みが出て、いかにも元気になるような気が…右のほうで蜜蜂さんもせっせと蜜を吸っているのがおわかりでしょうか?



2006-06-01

2006/6/1(Thu) 青々と 剣に花が 咲く水辺

  あー、もう五月は行ってしまったというのに池のあやめは花盛り。今年は本当に花々が遅いこと。このみずみずしい緑の剣のような葉の間に繊細な花弁を広げて咲く紫の佳人よ!あやめと菖蒲が共生していて、お花をもらおうと鋏を入れるとかぐわしい香りがします。夕べは旧のお節句だったので月遅れの菖蒲湯に入りました。

 うちのあやめは四季咲きで、春・夏・秋・晩秋と3~4回咲き、よく「狂い咲き」と間違われます。しかもひとつの花芽に2~3輪づつぐらい交代で咲くので、美人長命ですね!


(2021/1/16追記)この投稿の花は、アヤメではなく、カキツバタでした。


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