2008-10-25

2008/10/25(Sat) ありがたや 瑞穂の国の 神無月

  いつも美味しいお米、無農薬の日光コシヒカリを作ってくださる田代恵一さんのご縁で、益子焼の肥沼美智雄さんから花器を戴きました。肥沼さんは、国内はもとより国際的にも活躍される陶芸家。その作品は、祭祀の鉄器や土器を思わせる霊的なフォルムが印象的です。

 さてなんの花を生けようか、と迷っていると、なんと二荒山神社の御幣束がぴったり。そして、田代さんのお米の稲穂と一緒に並べてみると、収穫の秋の最高のコラボレーション!

 太古の昔から、ずーっと私たちは、こうして神様にお供えをしてきたのかもしれません。瑞穂の国に生まれたありがたさを、お米を噛みしめるたびに思い出します。



2008-10-20

2008/10/20(Mon) 三つ四つ 三度四度の かきつばた

  国道の紅葉渋滞が信じられないほど、のどかな秋の午後。

今、高井家の庭では、ススキと秋明菊に混じって、池の杜若が満開です。暖かい日が続いているせいか、お客様には「狂い咲きですか?」とよく聞かれます。実は、この杜若は四季咲きで、一年に3~4回咲くのです。春、夏、秋、そしてこのまま霜が降りる直前まで。

 近づいてよく見ると、一本の茎に花芽が3~4個。ということは、1本で4個×4回=16輪。次から次へと。えらいですねー。

 毎年、秋の杜若はすっかり話題の主役です。都会からのお客様のおもてなしは、いつも窓の外の自然に助けられて…。お礼に愛をこめて、庭のお世話をさせていただいておりますです。



2008-10-19

2008/10/19(Sun) 秋晴れや 社も紅をさす 大祭

 17日は、東照宮の秋の大祭。千人行列が行われました。お天気に恵まれ、多くの参拝・見物のお客様が訪れ、歴史絵巻を堪能しました。

 そのにぎやかな表参道から少しそれて、旧社務所の前にさしかかると、そこは人通りもなく静かで別世界のよう。今は美術館として公開されていますが、ここから、滝の尾道に通じる裏道は、華やかな参道とは又違った趣のある日光の散策が楽しめるかもしれません。

 落ち着いた佇まいの美術館の門からのぞく紅葉が、通りかかる人を芸術の秋へいざなっているかのようです。



2008-10-08

2008/10/8(Wed) 紅葉の 知らせは山を 駆け下りる

  お客様から、紅葉情報。そうです。地元に住んでいながら、いつもお客様に日光の自然だよりをいただくのです。謝々。

今は、中禅寺の竜頭の瀧がきれいだそうですよ!

 いや~、それにしても、朝晩の風が冷たくなったと思ったら…

紅葉前線もいよいよ目覚めたのですね。今朝は、山を渡る鹿の鳴く声が、すぐ近くで聞こえました。

 高井家の庭でも、楓や八汐つつじの葉が、あっという間に色づき、池の周りでは、大文字草、ホトトギス、秋明菊が満開。なんと、いつもの四季咲きの杜若も咲いています。ミニ神橋の上では、青銅の鹿さん夫婦が仲良くデート。なかなかいいですな。



2008/10/8(Wed) 新しき 障子に秋を 見つけたり

 10月になってから早や一週間。忙しい日々ですが、衣更えの季節です。初袷。毎年、軽やかな単衣を脱いで、しっとりとした袷に包まれるたび、日本の女性に生まれた悦びを感じます。

 そして、衣更えは着物だけでなく、座敷のしつらいも一新です。暖簾を麻から木綿へ。座布団も夏物から冬物へ。簾はしまって障子に取り替え。

 ちょうどお天気も爽やかなので、大女将と一緒に、頑張って障子の張替えをしました。真っ白な障子は本当に気持ちが良いですねー。おかげさまで、また新たな気持ちでおもてなしができそうです。

 とても幸せな秋の午後。なんだか、本当の四季の始まりは、秋ではないかと思うくらい、新鮮な日光の風です。



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