2006-04-17

2006/4/17(Mon) 弥生祭 大神おはす 會所かな

 いよいよ日光二荒山神社の弥生祭です。昨日も書きましたが今日は日光市内は各町内から花家体が繰り出し、いっせいに山内目指してお囃子と共に裃姿の若い衆が練り歩きます。子供たちは昔ながらの日本髪を結い晴れ着に身を包み、家体に乗って一日中笛や太鼓を奏でます。春の歓びに酔うその様子はポスターや写真でよく見かけることがあるでしょう。

 その反面、過疎化が進んだ町内では子供も若い衆もいなくなり、付け祭りといわれるこの家体の行列に参加することが出来ません。しかし祭礼としてのしきたりは途絶えることはなく、本町も無人の會所に二荒山大神だけがひっそりと…御神酒の陰で本町の提灯はその寂しさ・悔しさに泣いているように見えます。



2006-04-16

2006/4/16(Sun) 放菴忌 祭囃子を 遠く聞く

  神橋の近く旧日光小学校跡地に小杉放菴記念日光美術館があります。放菴は明治・大正・昭和にかけて洋画、日本画、書、短歌などで活躍し、日本の近代美術史に大きな足跡を残しました。酒を愛し「未醒」という雅号を持つところは恐れ多くも高井家先祖の酒袋にも相通ずるものが…

 毎年4月16日の放菴忌は、二荒山神社弥生祭宵祭りの日であるため日光市内は花家体が繰り出し華やかな祭囃子があふれています。そんな時ひっそりとした小倉山の杉木立の下にある放菴のお墓をお参りすると、まるで今にも風に乗って笛の音が聞こえてきそうです。

 そういえば彼は「おわら風の盆」の唄の作詞者でもあることを思い出しました。



2006-04-10

2006/4/10(Mon) 影ながら 花待ちわびる 夏ズイセン

  高井家の庭の花シリーズ第3弾。これは何の葉っぱでしょう?4月に葉っぱだけフサフサと伸び、そのうち溶けて無くなってしまいます。夏休みのある朝、何もなかった地面からニョキニョキと長い茎を持つ彼岸花のような形のピンクのつぼみが…

 「夏ズイセン」といいます。育ち方がミステリアスなわりにシンプルな名前。昔、子供が夏休みの宿題に観察日記をつけました。ものさしを立てて毎日写真を撮ったら、何と一晩で15cmも伸びました!親も感動。

 この写真の影はゴールデン・レトリーバーの愛犬ラッキー君です。彼は、こうして日向ぼっこしながら見守ってくれています。



2006-04-08

2006/4/8(Sat) 春酒に 染まりし色の 猩猩袴

  どうしてこれがショウジョウバカマという名前なのか。お能に「猩猩」という演目があり、オランウータンのような唐土の霊獣が酒に浮かれて舞を舞う話があります。しかし、この花は実際のところ紫色に近いピンクで、その葉は地面にへばりついてとてもそのような軽やかな感じには見えません。

 春先、まだ花が少ない時期に群生しているのを遠くから見ると、ピンクの丸い形がなんともかわいい風情。お客様に「あれはなんという花ですか?」とよく訊ねられます。「ショウジョウバカマです」と答えるとほとんどの方は「ああ、あれがそうですか」というぐらい名前だけはよく知られているようです。

 水芭蕉の歌の「遥かなオゼット」ではありませんが、私は長いこと「少女袴」だとばかり思っていました。



2006-04-05

2006/4/5(Wed) イナバウアー かと思うような かたくりの花

  お座敷の前のかたくりが咲き始めました。うす紫の可憐な花びらを大きく反り返らせる姿はまるで…そうです、荒川静香選手みたいですね。黄色のもあります。高井家の庭のかたくりも場所によって開花時期が様々ですが、日光で群生の名所と言われる所は少し日陰なので4月中旬あたり。ちょうど二荒山神社の弥生祭の頃でしょうか。はかなげでかよわい風情。私と大違い。

 毎年この季節は、春になった歓びと新年度のめまぐるしい変化で大人も子供もそわそわしているうちにあっという間に過ぎてしまいます。時々心を落ちつけて、お陽さまの温かさを感じたり、土が目覚める臭いを嗅いだりしてみませんか?



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