2006-04-16

2006/4/16(Sun) 放菴忌 祭囃子を 遠く聞く

  神橋の近く旧日光小学校跡地に小杉放菴記念日光美術館があります。放菴は明治・大正・昭和にかけて洋画、日本画、書、短歌などで活躍し、日本の近代美術史に大きな足跡を残しました。酒を愛し「未醒」という雅号を持つところは恐れ多くも高井家先祖の酒袋にも相通ずるものが…

 毎年4月16日の放菴忌は、二荒山神社弥生祭宵祭りの日であるため日光市内は花家体が繰り出し華やかな祭囃子があふれています。そんな時ひっそりとした小倉山の杉木立の下にある放菴のお墓をお参りすると、まるで今にも風に乗って笛の音が聞こえてきそうです。

 そういえば彼は「おわら風の盆」の唄の作詞者でもあることを思い出しました。



2006-04-10

2006/4/10(Mon) 影ながら 花待ちわびる 夏ズイセン

  高井家の庭の花シリーズ第3弾。これは何の葉っぱでしょう?4月に葉っぱだけフサフサと伸び、そのうち溶けて無くなってしまいます。夏休みのある朝、何もなかった地面からニョキニョキと長い茎を持つ彼岸花のような形のピンクのつぼみが…

 「夏ズイセン」といいます。育ち方がミステリアスなわりにシンプルな名前。昔、子供が夏休みの宿題に観察日記をつけました。ものさしを立てて毎日写真を撮ったら、何と一晩で15cmも伸びました!親も感動。

 この写真の影はゴールデン・レトリーバーの愛犬ラッキー君です。彼は、こうして日向ぼっこしながら見守ってくれています。



2006-04-08

2006/4/8(Sat) 春酒に 染まりし色の 猩猩袴

  どうしてこれがショウジョウバカマという名前なのか。お能に「猩猩」という演目があり、オランウータンのような唐土の霊獣が酒に浮かれて舞を舞う話があります。しかし、この花は実際のところ紫色に近いピンクで、その葉は地面にへばりついてとてもそのような軽やかな感じには見えません。

 春先、まだ花が少ない時期に群生しているのを遠くから見ると、ピンクの丸い形がなんともかわいい風情。お客様に「あれはなんという花ですか?」とよく訊ねられます。「ショウジョウバカマです」と答えるとほとんどの方は「ああ、あれがそうですか」というぐらい名前だけはよく知られているようです。

 水芭蕉の歌の「遥かなオゼット」ではありませんが、私は長いこと「少女袴」だとばかり思っていました。



2006-04-05

2006/4/5(Wed) イナバウアー かと思うような かたくりの花

  お座敷の前のかたくりが咲き始めました。うす紫の可憐な花びらを大きく反り返らせる姿はまるで…そうです、荒川静香選手みたいですね。黄色のもあります。高井家の庭のかたくりも場所によって開花時期が様々ですが、日光で群生の名所と言われる所は少し日陰なので4月中旬あたり。ちょうど二荒山神社の弥生祭の頃でしょうか。はかなげでかよわい風情。私と大違い。

 毎年この季節は、春になった歓びと新年度のめまぐるしい変化で大人も子供もそわそわしているうちにあっという間に過ぎてしまいます。時々心を落ちつけて、お陽さまの温かさを感じたり、土が目覚める臭いを嗅いだりしてみませんか?



2006-04-04

2006/4/4(Tue) お馬車行く 近衛隊列 御用邸正門通り

日光田母沢御用邸正門です。皆さんが国道から入られるのは本来は通用門。高井家のある通りは今でこそ裏通りになってしまいましたが、もとは本町通りといって御用邸に通じるメイン・ストリートで、大正天皇の行幸啓の折には日光で一番間近に行列を見られる幅員の狭い沿道でした。

今の石田屋さん(日光甚五郎煎餅本店)の前は急勾配の坂だった為、いっせいに騎馬に拍車がかかると、蹄の音も高く、たてがみは風になびき、朱色に菊の御紋章も鮮やかに天皇旗は翻り、それは最高のドラマであったと聞きます。

今、御用邸正門通りをもう少し見直そうという声が地元の女性たちから上がり始めました。



人気の投稿