2008-07-16

2008/7/16(Wed) 夏のもの 四角の中に 松花堂

  ある日のお出前の料理。松花堂弁当と、他に料理が何品かお供しました。この松花堂という箱は、もともとは農家の種子入れだった器を、江戸時代に松花堂昭乗という社僧が小物入れにしていたそうです。それを「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が、お弁当箱として見立てたところ大評判になり、今日では松花堂弁当というスタイルで、茶会の天心などによく用いられます。

 さて、お弁当は箱に詰めるので簡単かと申しますと、実は、これがとても難しい。季節のものをそれぞれの風味を大切に調和よく、しかもいちどきに盛り込む。さらに、それを損なわないように運ぶ…。毎回、修行です。



2008-07-03

2008/7/3(Thu) 伝統は 継がれてすがし 夏の朝

昨日は、田母沢御用邸にて茶道の講習を行いました。生徒さんは、東京の昭島市立拝島第三小学校の伝統文化を学ぶグループの皆さん。講師は、竹内仙玲先生です。

お天気もよく、爽やかな風の通るお座敷で、庭の緑を眺めながら、紫陽花の和菓子でお抹茶。可愛い生徒さんたちはお行儀よく真剣な面持ちで、茶道の精神である思いやりの心や「真・行・草」のおじぎの仕方などを学びました。

最後にいよいよ、日光名物「湯沢屋さんの酒饅頭」。創業文化元年の伝統の味を楽しんで、一つのことをずーっと守り続ける努力に感心しました。



2008-06-28

2008/6/28(Sat) 大とんぼ 新しき空 見上げたり

  昨日の朝、雨に濡れたサツキの花びらを掃除していたら、なにやらシマシマの生き物が?おや!オニヤンマさん。お目覚めおめでとうございます。大きなトンボは、やはり大きなヤゴから。黄色と黒の、まるで阪神タイガースファンのような模様は力強いですね。

 でも、羽化して間もないのか、近くに寄っても、空を見上げてジーっと動きません。きっと羽がちゃんと伸びるのを待っているのでしょうか。お昼には、抜け殻だけが取り残されていました。

 高井家の庭でさえ、こうしてひと夏だけの生き物たちの物語が日々生まれています。日光の山々を想像すると…。自然はすごいですね!



2008-06-17

2008/6/17(Tue) 青梅は 銀のためいき 水の中

  梅雨の晴れ間が続きます。今日は、青梅が届きました。これは、白加賀という種類の大きな梅。さっそく煮梅を作るために、かわいそうですが針を刺しました。針といっても、竹串をまとめて輪ゴムでしばり、梅の表皮に細かい穴をあけるのです。こうすると、煮ても皮が破れることなく姿の良い煮梅が出来上がります。

 針のあと、水に入れると、梅は産毛に包まれ銀色に輝きます。時々気泡が上がっていく様子は、まるで青梅が水の中で、小さなため息をついているような静かな世界。

 たくさん仕込んでくたびれたので、残りは梅ジュース、梅酒にまわすことにしました。出来上がりが、楽しみ♪



2008-06-16

2008/6/16(Mon) 紅白の 花に思案の 寿老人

  高井家の庭の寿老人が、人差し指であごひげをなでながら笑っています。白い花はシライトソウ。しかもこれは糸が太いので、木綿の白糸。この赤い花は…つつじ?さつき?

 春に早くから咲き出すのが、つつじ。そのあと、葉っぱの新芽が出た後に色とりどりに咲き乱れるのがさつき。毎年、この区別に悩むのですが、さつきは、さつきつつじというつつじの一種だそうで、ますます複雑です。いずれアヤメかカキツバタ、というところでしょうか?

 池のまわりでは、カキツバタ、ニッコウキスゲ、シライトソウ、サツキ、フタマタイチゲなど、本当ににぎやかです。



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