2007-09-05

2007/9/5(Wed) 秋の朝 夢から覚めて チドメグサ

  九月。朝の庭に漂う空気はすっかり透明です。紫のミソハギも最後の穂を揺らしています。苔むした地面は緑のじゅうたんのようで…いいなぁ、秋の庭も。

 と、思いきや。なんと、苔の緑が鮮やかだと思っていたら、よそ者が!よく見ると、小さい緑の雑草が苔の間にはびこっていました。しかも、いつのまにか庭中びっしりと。つまんでみると、糸のような茎が地面を這って、苔の表面を覆い尽くす勢いです。

 さっそく調べてみたら、憎っくきその名もチドメグサ。昔から止血作用があるのでこの名が。ゴルフ場の芝の大敵で、除草は大変だそうです。高井家の庭は、樹齢100年以上の弱った樹もあり、また、なにより苔も心配なので除草剤も使えそうもありません。そこで、手で草むしり。毎日格闘して、夢にまで出てきそうです(涙)。



2007-08-30

2007/8/30(Thu) 空蝉も おいてけぼりや 夏休み

  いよいよ夏休みも終わりです。今年は9月の初めが土日なので、宿題の追い込みの寿命が延びたようですね♪

 暑かった夏のためか、本当にたくさんの蝉の抜け殻が見つかりました。農学部の先生のお話では、14年ぶりの大発生とか。今でも高井家の庭ではあちこちの枝にぶら下がっています。

あんまり多いので、長男太郎が「ご自由にお持ち下さい」と看板を作って玄関先に置いておきました。でも、珍しくもないのか貰い手もなく蝉さんの抜け殻はしょんぼり取り残されて…

 そういえば夏休みの間、表で元気に遊ぶ子供たちの姿は見かけなかったような気がします。

夏の子供たちはどこに行ってしまったのでしょうか。



2007-08-25

2007/8/25(Sat) 処暑過ぎて 正直者の 木の葉かな

  気がつけば8月も残り少なくなりました。猛暑といわれながらも、朝晩は涼しい空気に思わず深呼吸したくなります。

 数日前に処暑を迎え、どことなく季節が変わりつつあることに気がつきました。空が少し透明になって、草花の露が冷たい。土がひんやりして、木が静かになってきた。蝉の声より虫の声。

 う~む。秋じゃな。見上げれば、山の木々も律儀に装いを変えようとしているのではないでしょうか。

 こうなってくると、切子のグラスよりも志野の猪口で一献、といきたいところです。



2007-08-21

2007/8/21(Tue) 夏の森に 叡智の若木 集いけり

  宇都宮大学とアメリカのエール大学の林学環境学の研究者たちが、奥日光の演習林に来ました。合宿に入る前に、まずは高井家で日光名物の生ゆばのランチ。伝統的日本スタイルのお膳での食事は、日米両国の学生さん方には珍しかったようです。

 自然破壊、環境汚染、地球温暖化など厳しい時代になりましたが、東西の優秀な若い人がこうして森や林について真剣に学んでくれていると思うと、本当に頼もしいですね。

 日光は文化財だけでなく、自然に関してもかけがえのない宝物に恵まれています。「世界の日光」の発信地として、新たな可能性に期待したくなりました。



2007-08-19

2007/8/19(Sun) 霧雨や 幽幻の舞台 濡らしおり

17日、18日と輪王寺薪能が行われました。あいにく2日目の夕刻はミスト・シャワーのような雨。濡れた能舞台を一生懸命雑巾掛けするスタッフの方々です。ずっと続いた猛暑も、この涼しい雨で一息つけたのは良かったのですが、カッパを着ての鑑賞となりました。また、装束の保護のため演者は能面もつけずに紋付姿。でも、かえって能の所作をじっくりと見ることが。

毎年、輪王寺さんの薪能が日光の秋を運んで来ます。夏の終わりの境内で、暮れゆく空に響く蝉の声を聞きながら、かがり火が夕闇に映える時間までゆるりと浸る幽幻の世界。それを楽しみに都会のお客様はホテルまでとっていらっしゃいます。お天気を案じながらの開催はご苦労も多いことでしょう。



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