2008-08-22

2008/8/22(Fri) うつむきて 魚籠にあふるる 秋海棠

  お久しぶりです。ついに日光の夏が終わりました。今日は朝から小雨で寒いです。セーターを出して羽織るほど。蔵から出てきた竹籠は魚とりに使ったものでしょうか。

 秋海棠にナツズイセンとススキを無造作に入れると、すっかり秋の風情です。この花はいつもうつむいて咲き、葉や茎は美味しそうな黄緑で、節のところが紅色で。

 一つの季節が終わり、時も静かに過ぎていきます。この花のようにあふれるほどの思い出がこぼれ落ちて、美しい花の色だけが残されて…なんだか寂しいですね。

 「秋海棠西瓜の色に咲きにけり」。う~む。どうして芭蕉の句は、元気なんだろう。



2008-07-27

2008/7/27(Sun) 寿老人 おめかしヤゴの イヤリング

  「耳にタコ」ならぬ「耳にヤゴ」。池のほとりの寿老人の石像に、ヤゴの抜け殻が…写真をクリックしてみて下さい。

 夏休みが始まると、トンボや蝉の抜け殻が庭のあちこちでみつかります。去年は蝉が14年ぶりの大発生でしたが、今年は少ないようです。オニヤンマのヤゴは多かったのですが、可愛そうなことに池に間違って梅の木消毒の農薬が入り、ずいぶん死なせてしまいました。この時期は、植木屋さんが入るので、庭の環境も変わり、生き物たちの生態系も変化し、来年のこの季節が来るまで待たなければ。

 せっかくのイヤリングは、夕立の激しい雨で、2,3日で取れてしまいました。寿老人さんも、つかの間のおしゃれでしたね。



2008-07-21

2008/7/21(Mon) 蒼天の絵は夏の旅に出る

  高井家の壁に飾られている大きな絵3点、この夏、諏訪湖のほとりに旅に出ることになりました。7月24日から8月31日まで、長野県諏訪市美術館で、<入江観の世界展>が開催されます。

 日光出身の入江観は、「蒼天の画家」と呼ばれるほど、空と海や湖を題材にした青と緑の静かな絵が有名です。どこまでも高くせつない空の青、みずみずしい風が吹き渡る木々の緑。じつは、高井家は彼の実家です。100号の大作をはじめ版画まで10数点が常に展示されています。

 諏訪市美術館の館長さんと学芸員の方が白い手袋をして、大事そうに点検・搬出してくださる様子は、まるで「お宝鑑定団」のようでした!

 しばし寂しくなりますが、旅を楽しんできてください。



2008-07-16

2008/7/16(Wed) 夏のもの 四角の中に 松花堂

  ある日のお出前の料理。松花堂弁当と、他に料理が何品かお供しました。この松花堂という箱は、もともとは農家の種子入れだった器を、江戸時代に松花堂昭乗という社僧が小物入れにしていたそうです。それを「吉兆」の創業者・湯木貞一氏が、お弁当箱として見立てたところ大評判になり、今日では松花堂弁当というスタイルで、茶会の天心などによく用いられます。

 さて、お弁当は箱に詰めるので簡単かと申しますと、実は、これがとても難しい。季節のものをそれぞれの風味を大切に調和よく、しかもいちどきに盛り込む。さらに、それを損なわないように運ぶ…。毎回、修行です。



2008-07-03

2008/7/3(Thu) 伝統は 継がれてすがし 夏の朝

昨日は、田母沢御用邸にて茶道の講習を行いました。生徒さんは、東京の昭島市立拝島第三小学校の伝統文化を学ぶグループの皆さん。講師は、竹内仙玲先生です。

お天気もよく、爽やかな風の通るお座敷で、庭の緑を眺めながら、紫陽花の和菓子でお抹茶。可愛い生徒さんたちはお行儀よく真剣な面持ちで、茶道の精神である思いやりの心や「真・行・草」のおじぎの仕方などを学びました。

最後にいよいよ、日光名物「湯沢屋さんの酒饅頭」。創業文化元年の伝統の味を楽しんで、一つのことをずーっと守り続ける努力に感心しました。



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